地名でわかる、地盤の強弱、危ない地名は?
地名は、その地域特有の地形や地質や災害履歴などから、名付けられています。
地名の由来をたどる事は、土地が元々どんな場所だったのかが分かり、
地盤の大まかな目安になります。
ちなみに、地盤に関係なく名づけられている地名もありますが、
そういった地名は、人物名や信仰や職業により名づけられており、一応由来はあるようです。
〇窪
地面のへこみを意味しております。地面が周辺地域より低い地域であったり、水が溜まりやすい地域に多く使われます。水を含む土地や、水が地面から近い位置にある土地は、軟弱で沈下がしやすいです。
◎軟弱地盤(液状化)に注意が必要な漢字・・・窪、久保、下、谷、沢、坂など
〇谷
山間部のこと。現在も川が流れているかもしくは、過去に川が流れていた可能性があります。堤防決壊や氾濫などの水害に遭いやすい地域に多く使われます。また、水を含む土地のため、軟弱地盤の地域が多いです。
◎水害に注意が必要な漢字・・・女、江、沢、河、洲、流、滝、橋、鴨、鶴など
〇梅
埋に由来しております。過去に土砂崩れで埋まってしまった地域であったり、開墾するにあたり人工的に埋め立てられた地域に多く、液状化の問題が懸念されます。
◎液状化に注意が必要な漢字・・・堀・堤・橋・網、鮎、緑など
〇倉
岩肌の露出している崖を意味しております。倉をいう漢字は崩壊地を示す事もあり、土砂崩れなどが心配されます。
◎土砂崩れに注意な漢字・・・蛇、馬、猿、柿、椿、桜、萩など
上記の漢字を持つ地名は軟弱地盤の可能性が高く、
地震や経年によっては沈下や傾きが生じる事もあり、
注意が必要かと思われます。
その他にも、洪水や土砂崩れなども、注意が必要ですね。
必ず住宅を建てる前に、地盤調査や地盤改良を行い、沈下対策について調べて下さい。
〇山
高台や台地などを指します。自然に出来上がった地形をそのまま使っているため、樹木もしっかりと根を張っており、良好な土地に多く見られます。
◎良好な土地名に使われる漢字・・・峰、台、丘、上、高、森、根
昔は、土砂崩れを蛇崩れと呼び、土砂崩れのあった地域には、「蛇」の漢字がよく使われます。
先人たちの警告が地名に出ておりますね。
しかし、蛇落地(ジャラクチ)という地名を、読みがよく似た上楽寺(ジョウラクジ)に変えるなど、
後世になり縁起のよい漢字に変えた例があります。
こういった様に、地名が変わってしまっているケースも多く、今では跡形もない地域もあります。
見極める方法はあるのでしょうか?
「〇〇ヶ丘」「○○台」「希望~」「光~」「~の杜」などは、
ニュータウンや新興住宅地に多くみられ、新しく名づけられた可能性が高いです。
役所や図書館などで古い地名も調べられるので、気になる方は一度調べてみてくださいね。
登記簿謄本を取得しても良いかと思います。
登記簿謄本には、過去から現在に至るまでの履歴がのっており、
宅地欄で「畑・田・山林」など簡単に確認ができます。
敷地内や周辺地域を少し詳しく調べる事で、ある程度の地盤の状況を把握できます。
例えば、植物。
背の低い植物が多い地域は、地下水が地面と近い場所にあり、軟弱地盤の可能性があります。
一方で、背の高い樹木が多い地域は、地下水が地面から深くにあり、
根をしっかりと張っているため、良好な地盤とみることが出来ます。
上記で挙げた漢字が付く地名に既に住んでいる方も多いのではないでしょうか?
住宅の建てられた地域を変える事は難しいですが、知ることでリスクに合わせた対策が取れます。
ハザードマップが一番簡単に災害リスクを知れますが、
ハザードマップ外だから大丈夫、という訳でもなさそうですよね。
ハザードマップと照らし合わせて確認してみるのが良いでしょう。
これから住宅を建てられる方、現在土地からお探し中の方は、
地名の由来を念頭に、探してみては如何でしょうか?
また、地盤調査や地盤改良という手がある事も、視野に入れてお探しいただければと思います。
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