『第1種低層住居専用地域』とは?どんな建物が建築可能か?


『第1種低層住居専用地域』とは?どんな建物が建築可能か?



都市景観の保守、住居環境による健康問題の防止、都市の発展と秩序維持、

様々な必要性から定められている都市計画法。

その計画に基づいて分かれた13種の用途地域、各地にいずれかの用途地域が指定されており、

住みよい街づくりに必要不可欠となっております。

「第1種低層住居専用地域」はその中の一つにあたります。

物件探しをしていると、用途地域のことはよく耳にするかと思いますが、

どのような制限があり、どのような建物が建てられるのでしょうか?



〇第1種低層住居専用地域の特徴


一戸建てが建ち並ぶ住宅地、ゆったりと街並みを形成、そんなイメージのエリアです。

高さ制限や建蔽率など、どの用途地域よりも厳しい建築制限で、

低層住宅の良好な住環境を守ってます。

住宅、幼稚園保育園、小中学校、図書館、寺社、診療所、住宅兼用店舗、交番、等が建築可能。

スーパーやホテルや工場などは建築不可で、閑静な住環境を維持しております。

ちなみにコンビニですが、高齢者の方の日々のお買い物事情を考慮して、

近隣住民の理解を得れば、という条件付きで建築可能。

しかしコンビニがあると、夜間も人が集まったり、

駐車場利用の排気ガス、搬入トラックの往来、ゴミの匂い、室外機の音など、

様々なトラブルが想定されますね。


❚メリット
1.騒音源がなく静かに暮らせます
2.高い建物がなく陽当たりが良いです
3.ゆとりのある敷地が多い地域です


❚デメリット
1.敷地が広いため土地価格が高価になります
2.スーパーや商業施設と距離が出てしまいます
3.都心部より郊外に多く、都心部の勤務先だった場合、遠くなってしまいます



〇第1種低層住居専用地域の制限とは



まず、第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域には、

他の用途地域にはない制限があります


❚隣地境界からの外壁後退


第1種低層住居専用地域では、建物の外壁や柱を境界線から、


1m~1.5m後退させなければなりません。


敷地ギリギリまで建物を建ててしまうと、圧迫感が生まれゆとりが出ません。


そのためこのような規定がございます。


しかし、すべての地域で設けられている規定ではなく、地域により異なるため、


建築前に役所に問い合わせてみてください。



絶対高さ制限

第1種低層住居専用地域などでは、建物の高さを10mもしくは12mまで

と定められております。

日当たりや風通しを確保するため、規定されている事柄になります。

また、絶対高さ制限以外にも、高さを制限する建築基準法が、

「道路斜線制限」と「北側斜線制限」の2種類ございます。


道路斜線制限


敷地が面した道路の、反対側の境界線から、敷地に向かって引いた、

一定の勾配斜線内に、建物を納めなければならない、というもの。

尚、反対側の境界から敷地に向かって、20~35m離れた部分は、

斜線内に納めなくても大丈夫です。


・北側斜線制限


北側の家の日差しを確保するための規定です。

北側の境界線から5m立ち上げたところから、一定の勾配で引いた斜線内に建物を

収める必要があります。


このほかにも、ほかの用途地域でも指定されている、建ぺい率容積率がございます。


❚建ぺい率

敷地に建てられる建築面積の割合を示します。

第1種低層住居専用地域では、30%・40%・50%の地域が多いです。

建ぺい率50%では、敷地の5割しか使えません。

例えば、100㎡の土地で建ぺい率50%の時、

100㎡×50%=50㎡で、50㎡が建築可能面積となります。


❚容積率

敷地に建てられる延床面積の割合を示します。

第1種低層住居専用地域では、50%・60%・80%の地域が多いです。

例えば、100㎡の土地で容積率80%の時、

100㎡×80%=80㎡で、80㎡が延床面積の最大値となります。


上記を組み合わせた場合、【土地面積100㎡、建ぺい率50%、容積率80%】となり、

1階50㎡、2階30㎡にして、延べ80㎡にするか、

1階40㎡、2階40㎡にして、延べ80㎡にするか、

といった建物になるかと思います。



〇第1種低層住居専用地域に3階建ては建築できる?



原則的には建築可能ですが、厳しい制限をクリアするためには、敷地面積が必要となります。

現実的には、斜線制限や日影規制があるため、厳しい条件かと思います。

その程度の敷地面積が確保できるなら、2階建てでも広い住宅を建築出来る為、

3階建てをわざわざ選ぶ必要が無いかとも思います。

どうしても第1種低層住居専用地域に3階建てを建築したい場合、

建築会社に一度相談してみてください。



〇まとめ



1・第1種低層住居専用地域は一戸建てが建ち並ぶ閑静な住宅地
2・敷地にゆとりが出るが、その分高くなります
3・厳しい建築制限があり、建築前に要チェック
4・3階建ては、原則建築可能だが、現実的には厳しい
5・建てられる建物に限りあり(住宅・共同住宅・幼稚園保育園・小中学校・図書館・神社・交番・郵便局・(コンビニ))



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